ゆったりcg独学研究所。



3Dアニメの連続性
4Gamerさんの少し前の記事で制作会社サンジゲンさんの興味深い話が載っていました。
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20121227019/
リミテッドアニメーションについてのお話があるんですが、

「もちろん,いろいろな試行錯誤を繰り返しましたよ。実際,リアルな質感でリミテッドアニメーションを作ってみたこともあったんですが,もう全然駄目でした。止まって見てるというか,死んでるように見えてしまう。カクついているというか,もう単純にコマ落ちしているだけに見えてしまうんですよね。」

という一文が凄く気になりました。
3DCGは連続的にレンダリングしていくため、60フレームでも120フレームでも細かく描写出来ます。
その画像一枚一枚の繋がりが正確な為、コマを少なくすればカクついて見えるわけです。
前回の日記で書いたように、ボーン(骨組み)を使って動かすのが3DCGの基本なのでモデリングがとても硬いわけです。
もし、これを2Dアニメに似せて一枚一枚トレースして3DCGに置き換えたらどうなるだろうか。
勿論手間はかかるけれど、違和感が無くなるんじゃないだろうか?
トレースはボーンでポーズ合わせるだけでなく、一枚一枚表面の歪みも合わせてみる。
これで3DCGの違和感が無くなったとしたら、
3DCGの正確な一枚一枚の連続性が違和感の原因だと特定できる。
2Dだって3Dだって、最終的には二次元の画像に出力されるわけですから、色彩の細かさが原因ではなく、画像前後の正確性、物体の硬さじゃないかと最近考えています。

考えてるだけで、実験はしてないんですけどね!
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3Dアニメと2Dアニメの違い
アニメ見ながら思いついた事をメモしておきます。
最近の3Dアニメは質も上がり、2D風にする質感は各社かなり向上しているのがわかります。
プリティーリズム・ディアマイフューチャーという子供向けのアニメなんて特に質感が上手です。
けれど未だに改善していないのは3D独特の硬さです。
3Dは光を細かく正確に計算するため、とても綺麗に描写されます。
その為、ほぼズレが起きません。
このズレがとても重要だと考えていて、
2Dアニメーションではその辺りをとてもよく理解しています。
単に動画枚数を増やしてヌルヌルするだけでなく、
手書きのモーションブラーや、服、形状の歪みを絵として盛り込みます。
目で見てわかりやすく例えると、
3Dは海外のコミック風で、2Dアニメは日本の漫画に近い表現方法を使っています。
海外のコミックを見ると、絵画のように繊細な色使いで描かれています。
けれど、小説の挿絵のようにピタっと止まってるように見えます。
どのページを見てもほぼ止まっています。
3Dにもこれに近い感覚がして、ズレ、歪み等がほぼ皆無な為、
硬質的な印象を持ちあまり楽しくないのですね。
単純にモーションブラーでぼかせば良いと言うわけでもなく、
よく出来たゲームや、アニメでの2D演出はエフェクトを多用する事でより躍動感のある映像に挑戦しているようです。
ゲームのNARUTO等はとてもよくできてると感じてコマ送りで見てましたが、
エフェクトを使いアニメ漫画らしく作り上げていました。
けれども足りない部分はモデリングの硬さにあります。
ボーン(骨組み)を使って動かす3Dアニメーションにこの歪みをつけるとすると、
多大な労力が発生する事になります。
キャラクターのモデリングに手を加え、部分的に消して形状を変化させた新たなモデリングに差し替えたりする必要が出てくるでしょう。
物理シミュレーションによる皮膚の柔らかさを追加するだけじゃ足りないのではないかと思うのです。

ここからは愚痴ですが、よく作画崩壊なんて突っ込みをいれる方が居ますが、
単純に質が低いのではなく、明らかに意図的な歪みを表現してるアニメがあったります。
何もわかっていない。
その歪みを完璧になくしたのが大して面白くもない今の3Dアニメーションなのです。
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